FXと米金融大手シティグループ
 先週11月26日月曜日は前週末のダウ反発を受けてやや円売り優勢に始まるも、NY時間に信用収縮懸念が再発しダウが急落、リスク回避の円買いでドル/円は2年半ぶりの安値水準となる107円台へ下落しました。ドル/円は東京時間108.48円で寄り付き、午後にかけて108.50円をはさんでの値動き。中国政府系ファンドが日本株に投資するとの報道で、日経が上げ幅を一時400円以上に拡大する場面がありましたが、同様に円も買われたためドル/円は一時108.10円台へ下落。しかし下値は限定的でその後、市場のリスク許容度回復を受けて夕方以降円売りが優勢となり、特にオセアニア通貨は豪ドル/円が96円台へ上昇するなど大きく買われました。ところがNY入りに米金融大手シティグループが人員削減案を発表、また米ゴールドマン・サックスが英大手金融グループHSBCの投資評価を引き下げたことからダウが反落。ドル/円はダウの下落に連動するように下げ幅を拡大し、先週安値を下抜いて108円割れを示現。引け際には107.20円まで年初来安値を更新しました。クロス円も軒並み一段安となりユーロ/円が160円を割り込んだ他、豪ドル/円が同日高値から3円以上下落し一時93円割れへ。 FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求  27日火曜日はアラブ政府系ファンドの米シティグループ株取得の報道を受けてドル/円・クロス円が大幅反発し、ドル/円は107円前半から切り返し一時109円台を回復、一転して円売り優勢の展開となりました。朝方の猛烈な円買いでドル/円は一時107.20円の安値をつけますが、売りが一巡してからは107円前半でこう着状況に。しかし正午過ぎに米シティグループが、アラブ首長国連邦(UAE)政府系ファンド(アブダビ投資庁)に株売却との報道が流れると、市場は一気にドル/円・クロス円買い戻しへと動き、ドル/円が108.80円へ急騰。ユーロ/円も東京時間につけた159.34円の安値から大幅反発、一時161円後半へ急伸しました。欧州時間には円売りが一服、ドル/円が再び108円割れとなるなど円買いが再び優勢に。一方で独11月Ifo景況指数が4月以来となる上昇を示し、ユーロ/円は160円手前で底堅い値動きに。NY入り、ダウ先物急落を受けてドル/円が107.52円へ下落する場面がありましたが、下値は限定的ですぐに108円台へ反発。また米11月消費者信頼感指数がハリケーンの影響を受けた2005年10月以来の低水準となるも、シティグループ増資を好感してダウが大幅反発。ドル/円・クロス円も堅調を維持しました。ドル/円は明け方に109円台をつける場面があり、ユーロ/円も昼過ぎにつけた161円後半の水準を回復しました。 FX  28日水曜日は市場のリスク許容度回復を受けた円売りが継続し、クロス円中心に大幅続伸。安値からの切り返しを明確にしました。東京時間は日経が前日のダウ反発にもかかわらず反落して始まり、ドル/円・クロス円も円売り一服で軟調な推移。ドル/円は昼過ぎに108.25円へ下落、ユーロ/円も160.20円まで同日安値を更新しました。しかし夕方、特に材料のないなか主要通貨に対しドル買いが強まり、ドル/円が109円台へ急伸。クロス円も前日に引き続きリスク回避の緩和を受けて円売り優勢となり、ユーロ/円が162円、豪ドル/円が96円台に乗せるなど大幅高の展開に。NY時間ドル/円は110円台を突破し、円売りムードがさらに強まりますが、米10月耐久財受注が輸送機器を除くコア指数ともに市場予想を下回る結果となり、ドル/円が一時109.52円へ反落。しかし米10月中古住宅販売件数がほぼ予想通りの底堅い結果を示すと再びドル買い戻しが強まり、110円台を再び回復し110.47円の同日高値を示現。クロス円もダウの大幅続伸を受けて、ユーロ/円が163円半ばへ上昇した他、ポンド/円が夕方224円前後の水準から229円台へ急騰。豪ドル/円も98円をタッチするなど中盤にかけて円全面安の展開に。12地区連銀報告書(ベージュブック)は経済成長ペースの減速や住宅市場の低迷、個人消費の鈍化などに言及したものの、12月FOMCの追加利下げ観測が強まったことを背景に株高が継続。ベージュブック公表後ドル売りが強まるものの、ドル/円は110円前後の水準を維持しました。 FX  29日木曜日は円売りが一段落し、ユーロ/円を中心に軟調な値動き。しかしドル/円は米住宅指標などが悪化を示すなか109円後半の水準で底堅い展開に。朝方発表されたNZ10月住宅建設許可は予想より下落率が縮小されたものの、NZドル/円への影響は限定的でした。東京時間午前はドル/円・クロス円とも前日NY時間の高値水準でもみ合いとなり、ドル/円は110円前後で推移。日経が前日のダウ大幅高を受けて上げ幅を400円以上に拡大するなど、市場ではリスク選好姿勢が強まり仲値後にユーロ/円が163.59円まで同日高値を更新。しかし夕方から投機筋による欧州通貨売りが強まり、英11月ネーションワイド住宅価格が予想外の前月比低下となったことや、ロマックス・イングランド銀行(BOE)副総裁が「英金利は他のG7諸国と比べて相対的に高い」と述べたことがBOEの早期利下げを示唆し、ポンド/円が228円を割って226円台へ下落。ユーロ/円もユーロ/ドルが1.47ドル台へ急落したことを受け162円前半へ下落しました。また加ドル/円は投機筋による大口の売りを受けて一時110円割れ水準まで急落。NY時間、米第3四半期GDP改定値が市場の予想通り前期比年率+4.9%となり、速報値よりも大幅な伸びを示すも、米新規失業保険申請件数が予想以上の悪化を示し来月の米雇用統計が弱含むとの連想から、ドル/円・クロス円は上値の重い推移に。さらに米10月新築住宅販売件数が予想より悪化を示すと市場でリスク回避の動きが強まり、ドル/円が一時109.49円まで同日安値を更新。しかしダウが下げ渋ったことから下値は限定的となり、引けにかけもみ合いを継続。ドル/円は110円後半の水準で、ユーロ/円は162円前後の水準で取引を終了しました。 FX  週末30日金曜日は株高を背景に円売りが継続、ドル/円が半月ぶりの高値水準111円台へ上昇しました。東京時間は朝方、前年比+0.1%と強めの結果となった10月全国消費者物価指数(生鮮食品除く)を受けてドル/円が109.61円へ下振れる場面がありましたが、月末要因の円売りに支えられ仲値前に110円台を回復。その後は大台をほとんど割らない底堅い展開に。クロス円も豪ドル/円が98円に再び乗せるなど強含みでしたが、買いが一巡すると午後にかけてこう着。しかしロンドン時間に11月ユーロ圏消費者物価指数・速報値が、前年比+3.0%と6年ぶりの高水準を示すとインフレ期待からユーロ買いが加速。ユーロ/円が前日高値を越えて一時163.83円を示現しました。その後欧州株、ダウ先物が上げ幅を拡大したことから円売りが優勢となり、ドル/円が110円後半へ上伸。クロス円もポンド/円が再び229円台へ乗せた他、NZドル/円が11月9日以来の高値水準へ上昇しました。NY時間、米10月個人所得および支出が予想を下回り、同PCEコアデフレーターは市場の予想通りでしたが、ドル売りは限られドル/円は110円後半の水準を維持。逆に加ドル/円は第3四半期GDPが予想を上回るも、対ドルで売り優勢となり110円半ばへ反落しました。またバーナンキFRB議長が朝方「市場の混乱で経済見通しの不透明感高まる」と発言したことを受け、市場では次回FOMCでの追加利下げ期待が高まり、NY序盤ダウが大幅高で取引を開始。しかしロンドン・フィキシング(午前1時ごろ)にかけて月末要因から大口のクロス円売りが入り、ユーロ/円が162円半ばへ急落。ポンド/円もロンドンでの爆弾テロのウワサから228円割れへ。一方ユーロ/ドルが1.46ドル台へ大幅反落するなど、ドルは主要通貨に対して一段高となり、ドル/円は11月16日以来となる111円台を回復し、111.21円まで同日高値を更新。引けにかけてユーロ/円が軟調に推移するもドル/円は111円の大台を維持し、前週比2.79円高の111.10円で取引終了となりました。先週はドル/円・クロス円とも、市場のリスク回避が緩和したことを受け、安値水準から大幅反発。ドル/円は107円前半の水準へ一時下げましたが、週末には111円台へ戻して取引を終え、下値リスクが大きく後退しています。米シティグループの増資報道などをきっかけに市場のリスク許容度が回復し、株高・円安を加速された格好ですが、まだサブプライム絡みの評価損計上を警戒する動きは根強く、また米住宅指標の悪化やベージュブックのハト派的見解を受けて米景気減速観測はさらに強まっており、米景気の悪化を背景としたドル売りやリスク回避に十分注意する必要があります。なお今週6日にブッシュ米大統領が住宅差し押さえ問題について対応策を発表するとしており、深刻化するサブプライム問題の解決に進展をもたらすものと一部で期待感が高まっています。FX  今週は米雇用統計の他、欧英など主要国の政策金利が相次いでおり発表され、市場の思惑に振られやすい展開となりそうです。特に来週11日のFOMCを控えて米利下げ観測の行方に注目が集まっており、現状では0.25%の利下げが市場でほぼ織り込まれていますが、米雇用統計の結果次第では見方が一転することもありうるため、楽観できない状況が続くと思われます。問題の米11月非農業部門雇用者数(NFP)ですが、前月からの反動で7万人程度(前回は16.6万人)に落ち込むことが予想されています。さらに先週新規失業保険申請件数が大幅に増加したことを受け、NFPが弱含むとの見方が出てきました。またISM製造業景況指数は予想を上回る結果を示すも、内訳の雇用指数が50を大きく割り込む結果となっており、NFPの下振れリスクがやや高まっています。そうした中、今週水曜日発表の米ADP全国雇用者数は、先行指数としてNFPの動向を探る上で材料視されると思われます。  欧州中央銀行(ECB)は今週6日に政策金利発表を控えていますが、長期化するサブプライム問題を背景に今回も据え置くと見られています。ただ先週発表されたユーロ圏11月消費者物価指数・速報値が前月に続いて予想を大幅に上回り、前年比+3.0%に達するなど、ユーロ圏ではインフレ圧翌が急速に強まっており、そうした現状についてトリシェECB総裁からどのような見解が示されるかに注目が集まると思われます。またイングランド銀行(BOE)は来年初めにも利下げが行われると見られており、利下げ観測が先行していますが、今回の会合では据え置きが予想されています。なおBOE当局者からは先月の四半期インフレ報告で来年の金利低下見通しが示された点について、利下げを約束するものではないと釘を刺す発言があり、行き過ぎた早期利下げ期待をけん制する場面がありました。